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ひりひりするような文章を、もっと読みたくなる。「赤目四十八瀧心中未遂」車谷長吉 文春文庫

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かつて読んだことがありましたが、また私の年齢環境想いも違って、新鮮に楽しめました。

最後まで読み進め、瀧での放浪、その後の泥まみれの映像だけ、自分の脳裏に当時しっかりと焼き付けていたようで、そのシーンにあたるところでそうだーそうだ、これだとぴたりとあてはまりました。

見てはいないのだけれど、どうしても、映画、寺島しのぶ、というイメージに引っ張られてしまう面は否めない。

あれ、アヤちゃんだったのか、いやそれともこの赫毛の女なのか?と思い読み進め、ああアヤちゃんなのか、と合点の行く始末。

ちなみに他の出演者は誰だったのさと気になって調べてみると、主演は大西滝次郎改め大西信満さんという方―ああキャタピラー主演でまた寺島さんと共演しているんですね―とセイ子ねえさんは大楠道代さんか。

自分の中の世界と、イメージが違う配役であるのと、そもそも独白だらけのこの作品を映像にすることというのはどうやってこの世界を表現していくのか、言葉をそのまま発信していくのか、この言葉に真正面からぶつかっている物語を映像にどう転換していくのか。
それが映画監督、俳優たちの腕の見せ所なのかな、と思います。

私はそれが映画よりも文字から思念する世界の方がより好み、なのでしょう。

言葉で虐げられ、言葉で傷つけられても、それでも言葉に救いを求め、すがって、支えにする自分が居るんです。

こういう風景を写真に撮って、それを飯の種にしている人がいる。だからすでに商品化されたそういう写真の中の風景が頭に焼き付いていて、いま目の前にじかに見る風景に、あらかじめ意味の汚れが付着しているように不快だった。

こういうひりひりするような文章が読みたいので、他の作品もメモ。

人生相談も面白いって聞いたな

しかし私に圧倒的に足りないのは花に対する知識だと、改めて。
前回塩壷の匙
独特な世界に浸っていくだけ。「塩壺の匙」車谷長吉 新潮文庫
や、吉屋先生の屋根裏の二処女(と嶽本野ばら氏の解説)
横から嶽本野ばら氏に熱く話される気分になる注釈が印象的 吉屋信子「屋根裏の二処女」 国書刊行会
を読むにつけ痛切に感じ、でも植物辞典はちょっと、趣味じゃないから俳句の季語辞典みたいなのを通読してみようかしら。

こういうの、かしら?

なにか、おすすめ、あれば教えてください。

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