ただしい、を貫き通すことと、善し悪しとは、また違うんだろうなあ 阿川弘之 「井上成美」 新潮社
山本五十六、米内光政と来てようやく!!
読み終えました。
春夏秋とかかりましたね。今年の収穫というか、じっくりと、取り組んだ海軍三部作です。
で、いきなり
晩年、東郷元帥をどう思ふかと人に問はれて
と旧仮名遣いになりびっくり。
前2冊を新しいバージョンで買ったのか、と驚いてしまいましたがそうでもない模様。
読み物的面白さ、それはつまり人物としての面白さで言いますと前二作の山本五十六、米内光政の方が魅力的です。米内さんが一番人としては大きいのかな、と感じさせられました。
とにかく、曲がったことが大嫌いなんですね。正しい。本当に正論だし、正義です。
ただしい、を貫き通すことと、善し悪しとは、また違うんだろうなあと読んでいく端々から感じられます。
そういった人もいるのが、組織。
その人と人との相性をもって、何倍にも力を増すことだってあるし、足を引っ張り合って成果を出せないどころか破滅に導かれる組織すらある。
海軍という組織の中ではこのような人が必要だったのだと、3冊読み終えるとわかります。
それゆえ、これを最初に読んでしまった方には、ぜひぜひ山本五十六と米内光政もお読みいただきたいですね。
信念を持ち、組織で、日本で自分がどう生きていこうか。そんなことを思ったりもしました。
考え、行動するためにも、歴史を、先人たちを知っていきたいと思います。
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