1. トップ
  2. 読書をする
  3. 過去のトラウマ系、病気系の本を読むよりも確かに未来への指針がつかめる本。「生きづらさからの脱却 アドラーに学ぶ」 岸見一郎 筑摩書房

過去のトラウマ系、病気系の本を読むよりも確かに未来への指針がつかめる本。「生きづらさからの脱却 アドラーに学ぶ」 岸見一郎 筑摩書房

|

雑誌で見ていて気にはなっていました。
ほめない、声かけといったようなところが自分の中ではちょっと腑に落ちない、是と言いかねるところがあったので岸見さん自身の本を読んでみることにしました。

結果、とても良かったです。

自分のツイッターではこう書いたのですが、

実際アドラーはもともと、フロイトのウィーン精神分析協会の中核メンバーだったんですけど、袂を分かち、独自の理論を研究していったのだと、冒頭書かれています。

で、読み返したところ、確かに未来に向けて、今から自分がどうしていけばいいのか?がつかめる本ではないかと思います。

この本では虚栄心という言葉が多く出てきます。
問題行動の多くは虚栄心がなせること。
自分の人生で周りに登場してきた人たち、また過去の自分に大いに思い当たることがあり
説得力があります。

このような「原因論」が本来は因果関係がないのに因果関係があると見なすのは、そうすることに「目的」があるからである。
その目的は、端的にいえば、現状がうまくいっていないことや自分が今取るしかない行動の責任を、遺伝や親の育て方や、環境、さらには性格などに転嫁したり、自分を傷つけた人を断罪したりすることで自分が正しいことを確認しようとすることである。

これはぐさりときたな。自分がこうなる時がある、と自覚しているからです。

虚栄心のある人は他者の価値と重要性を攻撃する。他者の価値を落とし、そのことによって相対席に優越感を得ようとするが、このような人には弱さの感情、あるいは劣等感が潜んでいることをアドラーは指摘する。

今の自分をたいせつにするように、過去よりも未来よりも今をたいせつにするように意識することで、こうならないように自分をコントロールすることが、以前よりかはできるようになって来たかな、と思います。

そう思うと、以前ちらりと見た雑誌の特集も、私の行動を変えてくれるきっかけではあるので有意義だったな。

こうやって自由意志を持って行動し始めると、周りの人、特に以前の私のような捕らわれた気持ちで生きているような人からは妬ましいほどに羨ましいと思われるかもしれないと感じるようになりました。

人から評価される為の行動をやめる、自分の信念に沿った、良いと信じられる行動をする。残業もしない。それで成績上評価されなくても、自分は構わない。
残業なしの給与で最大限の時間を使って今をたいせつに生きる。

そのようにありのまま行動することによって意外と成績は上がり、気持ちも楽になるとは本当人生、不思議なものです。

そのせいにしたくなるような過去はそのまま遠く放っておき、意識的に今をたいせつに。
それでよい、と勇気づけてくれるような本でした。

具体的にどうしていくのか。その一つの答えが、こちら。

力でも感情でも他者を動かせないとすればどうすればいいのか。
言葉でお願いするしかないのである。しかし、力や感情でなく、言葉を使うのであればどんないい方でもいいかといえばそうではない。命令すれば反発される。疑問文か仮定文を使い、相手が断る余地を残したいい方をすると比較的聞き入れてもらえる。

言葉で、適切にお願いするしかないのです。SMAPのしようよでも言ってるでしょう、

目を見れば分かるなんて ちゃんと言わなきゃ分からない
君がいなけりゃ淋しいと。

もっと早く、特に18歳になる前にこの本を読んでいたら自分の人生がいかに変わったことか。
でもそういっても過去は変わらないので、今から先を、まずは今現実の自分の心の在り方、判断材料を意識的に、自分の自由意思で選択していきたいと改めて思います。

読者諸兄にはストレートにこの言葉を受け止める勇気が欲しい。そして噓だと思って実行して欲しい。

足りないのは能力ではなく、若干分量の勇気である。ちょっとした勇気が人生を変える。

嫌われる勇気という本を出すくらいですから、ここにも嫌われる勇気という言葉が出てきます。

自分を嫌う人がいるということは自由に生きているということの証であり、自由に生きるためにはそれくらいのことは支払わなければならない代償である。自由に生きていくために嫌われる勇気を持ちたいが、もともと人から嫌われることを何とも思わない人には嫌われる勇気はいらない。

NERVOUS VENUSという好きなマンガの登場人物が語る、

「過去」を踏み台に、「未来」を夢見ずサイコーに今を過ごす!

という言葉は古びず、金言だったのだなと改めて思う次第です。

<関連記事>