資本主義の中で自分の立ち位置を決めるためのヒントに いま生きる「資本論」佐藤優 新潮社
冒頭
この本を読むと、あなたの人生がどうして苦しいかについて、その原因の6割が解明されると思う。原因がわかれば、解決に向けた現実的戦略を構築することができる。
P7
という言葉を見て、読んでみました。
佐藤さんの語り、おもしろいんだねぇ
はじめて佐藤さんの語りを書籍化したものを読みましたが、こんなに楽しい感じだとは思いませんでした。
もちろん内容はしっかりとありつつ、ロシアでの体験、獄中の話などなかなか聞かない(聞けない)エピソードも多々あり、くすっと笑えるところもあります。
でてくる出てくる、読んでおきたい本
古典と呼ばれるおすすめする本、様々な本の関連書、研究書、その違いに出版社のこの本がいくらで古本屋であったら買って損はない、など、本を読み解くことを人生の優先事項の高くに置かれている方なんだなぁと改めて思います。
とても全部は読めませんが、今回読んでひっかかった本を、メモ。
蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
筒井康隆「蟹甲癬」は大好きなのだけど、読んでないのよ本家を。
自分の文体を作ること。書き言葉で書くこと。
プリントアウトして、もう一度直して書くという作業を取り入れること。
出口汪 現代文講義の実況中継(1) (実況中継シリーズ)
一冊目を処理するだけでも、格段と論理力が付くとな。
塾講師の方は、シビアに成果が求められるので楽しみ。
資本主義の中を切り抜けるか、新たな価値観の領域を作るか
読みながら、繰り返し出てくる文章で、ちょっとずつ概念を作って行きます。
資本主義の中で生き抜く
賃金を構成する3つの要素について、これは生産の部分で総額が決まる。また、労働者は搾取されているわけではないので、条件が嫌であれば断ればいいということ。
熟練労働者となっていくのか、資本家となっていくのか。ここでは株式は産業資本の上前をハネているだけと書いてありましたが、私としては労働者に加えて投資で上前をハネた利益も欲しい。資本主義に染まっていますね。
直接的人間関係をつくっていく
そしてもうひとつの視点。あらたな価値観。贈与というものが持つ、人間関係のなかの力について(これを悪徳商法を例にしているのがまたおもしろい)、そして、資本主義社会にも今でもある、相互扶助。
これを自分の生活の中に取り入れられないか、というヒント。
お金を稼ぐ、出世する、大学入試の偏差値や出身大学にこだわる、そんな意識を資本論から、自分の立場を冷静に見て判断する、今の価値観を脱するということ。
東京という土地から離れる、ということも選択肢の一つとしてあるのかどうなのか。これは東京近辺でしか生活していない自分には未知の部分でもあるのですが、カネを介在しない、人とのつながり、直接的人間関係があるのかしらと興味を持ちました。
自分は今の日本の状況をどのように解釈をして、そこに対して何に価値を置き、何を目指すのか。
そんなヒントになりました。
9月3日読了。
ヒロセマリでした。