京都を知りたい方、またはOJTトレーナーやマネージャーで人材育成をする人へ 「舞妓の言葉」 西尾久美子 東洋経済新聞社
「京都花街の経営学」を読み途中ですが、こちらの方を
先に読み終わりました。
舞妓さんの成長に沿って、お姉さん舞妓、芸妓さん、
置屋のお母さん達からかけられる京ことばと、その背景を
花街のシステムの説明を含めてして頂けるので、
読んでから舞妓さんたちを見ると、チェックポイントが理解でき、
衣装からどのくらいの経験を積んだ方か、といった判断も
出来ると思います。
ビジネスパーソン的な読み方で印象深かったのは
第三章、「出たての舞妓さん」内の
「言うてくれはる、見ててくれはる」
と
「しょうもないことやさかいに、言わへんのは、あかんのえ」
です。
会社のOJTなどで、ここまで報告を受け入れ、また、
自分の判断で報告しないことをよしとしない、といった、
しっかりと体制を取られているところがどれくらいあるかな、
とうらやましく思えました。
このような成長の1ステップごとに、言葉をピックアップして、
その背景のシステム、意図をくみ上げて構成していくということは、
大変な労力がかかったはずです。
この本は前作「京都花街の経営学」を著作中に既に着想されて
いたのかな、と思いながら読んでいくと、
おわりにのページにその問いの答えがありました。
実際はひらめきののち、前作執筆後も続けていたデータを再読、
そこからテーマを見つけ、改めてインタビューを始め、
書かれた本とのこと。
京都独特のしきたりに、著者の経営学的な視点での解釈が入ることで
非常に読みやすくなっておりますので、京都に行く前の方、
また、人材育成のOJTトレーナーになった人、
マネージャーになった方たちへと広くお勧めできる本になっております。
こちらを読み進めるのも楽しみです。
→読みました。「宝塚との類似性が感じられた 「京都花街の経営学」西尾久美子 東洋経済新報社」
<関連記事>
・おしゃべりせずとも大丈夫な間柄の人を誘ってゆったりと 京都 蹴上 喫茶チェカ
・京都 有次で菜箸を買う
・川口葉子さんの視点を本を介しておすそ分け 京都 カフェと洋館アパートメントの銀色物語