坦々と、最先端の医学を教えてくださる好印象な本 「人はなぜ病気になるのか」 井村裕夫 岩波書店
世界における山中さんを知る 「iPS細胞大革命」
朝日新聞科学医療部 朝日新聞出版
の本を読んだ際にメモをした本を読みました。
2000年の本だというのに
「マイコプラズマ肺炎」「デング熱」「エボラ出血熱」
というその後5年10年してから流行った病気についての記述が
しっかりあったり、
ウイルスは自己複製が可能であるという点では
生物の特徴を備えているが、
細胞を持たず、代謝によってエネルギー産生を
行うこともできない。
その意味で、生物と無生物の間の存在
なんて、もろに2007年発売の「生物と無生物のあいだ」
じゃないですか。
坦々と、最先端の医学を教えてくださる、という好印象を受け、
この方の書かれている最新の文章を読みたくなりました。
こちらでした。
医学部生が読むような本みたいですね。
「家庭の医学」を今後買うような状況になったら、
こっちを買おうと思います。
医学部生向けではないにしても、このもなかなかに難しかった。
ガンガン専門用語やイラストが出てきます。
生物の時間に見たなぁ、でもなんだかまったくわからないと思い、
生物の復習がしたくなりました。
生命40億年の歴史から、平安時代の貴族の病気、
といったような歴史的時間的な観点から様々な病気を
紹介してくれるので、ややとりとめのない、といった気持ちもしました。
そんな中わかったのは
細胞の崩壊が起こると自己抗原が放出され、
自己免疫が引き起こされる可能性がある。
ということ。
そして、胸の豊胸手術で、シリコンを入れてそれが破れると
自己免疫疾患になったりするとのことで、気をつけたいところ。
まぁ多分しないですが。
そんな冗談はさておき、病気になるには2つの要素、
- 遺伝要素
- 環境要素
があり、遺伝の部分はどうしようもないので、環境の要素として、
病気になりにくい環境を整えていくことが
病気にならないようにする対処法、
という大原則を頭に入れました。
どうしようもない、と言いました遺伝要素の部分を担当されているのが
この井村さんの進化医学で、ゲノムの解析を進めることで、
遺伝要素からの予防・治療のアプローチを進めるというまさに
現在進行形の医学です。
遺伝要素のアプローチを引き続き頑張っていただくこととして、
それまでは環境をなるべく良好に保ちたいものですね。
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三笠書房