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世界における山中さんを知る iPS細胞大革命 朝日新聞科学医療部 朝日新聞出版

こちらは以前ご紹介した山中先生ご自身が書かれた本
「京都の作り方」でiPS細胞の概念がすっと入る 山中伸弥先生に、
人生とiPSについて聞いてみた

とセットで読んで頂きたい本ですね。

第Ⅰ章は、山中先生ご自身で書かれた本と似ているエピソード
なのですが、
第Ⅱ章が生物学の発見、進化の歴史と、その中で山中先生の仕事は
なぜノーベル章受章に至ったのか。
同時受賞となったガードン氏も山中さんも、衝撃的な発見で、
周りの研究者からありえないと言われ、
それを一つ一つ反論を退け、その価値を確かなものに、
現時点でもしている技術だということ。

第Ⅲ章からⅤ章にかけ、今後の課題、未来について述べられており、
iPS細胞についての概要を掴むのに最適な一冊かな、と思います。

第Ⅲ章の倫理的課題、という項目において、

「それでも、そう遠くない将来、ともに不妊症で精子をつくれない男性と、卵子をつくれない女性が、それぞれの皮膚の細胞をもとに、たがいの遺伝情報を引き継ぐ子どもをつくるといったケースが現実になるかもしれない。」

と書かれていたのですが、技術的に男性同士、女性同士の遺伝情報を引き継ぐ子どもをつくることも可能になる日も近いんだろうな、と
思いました。そうなったときの倫理的問題をどう対処していくのか。
そんなことも気になりました。

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