決して叶うことない長倉の思いが切ない「あ・うん」向田邦子 文春文庫
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向田さんの本を読みたい、と思って、まだ読んだことのないこちらをチョイス。
かっこいいんだろうけど。門倉、こわい。
本質的に、長倉が愛しているのは水田だもん。どんなに奥さんのことを好きなように見えても、彼女が水田の奥さんじゃなかったら、露ほどの興味も持たないと感じました。
どんなに思っても、その思いが通じることはない門倉さんのもどかしさ。
そのさみしさはどんなに女の人にモテても、完全に満たされることはないのだろうな・・・
向田さんの文章の落ち着き、静謐さが伝わるものが、秋の夜にぴったりでありました。
11/6読了。