坦々と述べられた文章がすっと納得できる 「疲労の科学」 井上正康・倉恒弘彦・渡辺恭良編 講談社サイエンティフィク
10月のテーマ、疲労について知りたいと思い読みました。
家で無いと読めないどでかい本でしたが、楽しかったです。
著者が多いので、下手な事は掲載できないのであろう、
という安心感があります。
個人の著者が「~だと思います」と書かれる
感情的な文章よりも、
坦々と述べられた
調節負荷が多すぎたり、水晶体の弾性が低下して
毛様体筋の収縮にすみやかに反応できない場合には、
結像系から誤差の多い視情報が出力され、
誤差検出を担う神経系のシナプス疲労により
眼の疲労を生じる。
こういった文章の方が、そうなのね、としっくり入ってきたり、
食欲不振という一見不都合な反応も、
身体活動を制限し、生体防御態勢を整える意味で
重要である。実際、感染マウスに胃内チューブで強制的に
平常時と同量のエネルギー摂取を行わせると、
死亡率が2倍にも増加する。
と言われたら、もう風邪ひいたらアホみたいに食べるのやめますよ。
おかゆ食べます。
神経症の共通の特徴は、不安を基底感情とする”とらわれ”と”こだわり”である。
消化吸収を考え、飯やパンなど、穀物(糖質)の多い食事を運動の2時間半~4時間前までにすませておく。
水温が36℃前後の不感温度では諸機能に与える影響は
小さいが、38℃以上になると心拍数や心拍出量などが
増加する。
高温浴や冷水浴(25℃以下)では交感神経の緊張を促し、
微温浴や温浴(37~40℃)では副交感神経系が優位と
なり 、鎮静的に働く。
と、いろいろ参考になる情報を入手。
気になったのが、疲労と水分補給を大塚製薬の研究所の方が
執筆していたり、
温泉療法をツムラの研究所の方が執筆していること。
これって絶対この内容を否定できない前提で研究しているじゃないの、
と思ったのですが、ここまで確実に効果がある内容だから、
商品化し、商売が成り立っているのだな、と思い読みました。
広範囲に及ぶ基礎知識の理解として、大原則を把握して、
様々な本の内容を目にしていきたいと思います。