流れるように文が紡がれて、独特の世界に浸される 「なぜなら やさしいまちが あったから」中山美穂 集英社
発売当時に気になっていた本を見かけて、さらりと。
中山美穂さんがLEEの連載をしていた時代はある程度読んでいて。
でもそんな話、ひとっこともしてないよね?という内容が発売時雑誌などで話題になっていて気になっておりました。
それもそのはず、連載部分は第二章にあたり、第一章部分書き下ろしの章が
結構センセーショナルになってございました。
あとがき見て、人を傷つけそうだったりあまりに自己完結しているものは省いた、と書いてあったけどミポリンが、こんな生い立ちを抱えているとは。
その経験が、ああいった佇まいを生み出すのかな?
特に連載の文字枠を持たない第一章は、流れるように文が紡がれて、独特の世界に浸される。
ああ、この人は作家辻仁成と人生の一頃を、運命的に過ごした人だったなと思わされる。
まるで映画サヨナライツカのワンシーンのような人生を過ごしてきた彼女は、
それでも芸能界という世界をたまたま美しいその外見を最大限利用して生活の糧にするために利用したのかと思わせるような基盤があったとは。
キョンキョンと仲良くて海外旅行に一緒に番組でだけど行っていた二人。ただのアイドルアイドルした人と違う方にはそういった人生を歩んできたからこそ見える近しい風景があるのかな。
そんな事を考えた今、全く違う環境になっている彼女の本をまた読みたいと思う私がおりました。
6/26読了。