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匂いやかに、目前に江戸の絢爛たる景色が浮かぶ 吉屋信子 徳川の夫人たち(下) 朝日文庫

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上巻はドラマの影響も受けていたのですが、
(母親の息子を思う気持ちは見苦しい 吉屋信子徳川の夫人たち(上) 朝日文庫)
下巻ではいよいよ自分の脳内に江戸の大奥の姿がありありと浮かんでくるようになりました。

とはいえ、自分の脳内のイメージを作ってきたのは、
そのようなドラマだったり、歴史の教科書の挿絵だったり、
全国の寺社に行った際の風景の蓄積ではあるのですが。

そんな空想を働かせていると、
将来、制約のない暮らしができるのならば、
自分が寝殿造りを基本として、夢殿も配置する家に住みたい。
と学生時代に思っていたことを、10数年ぶりに思い出しました。
渡殿を使って池の上を移動して隣の部屋に移動。

雨の日どうするんでしょうかね。

これが夢殿。法隆寺にある八角形の建物。

そんな脳内の使っていないところを活性化させながらの読書だけに、
下巻の半分くらいお万の方を苛むことになる、
閨での家光に抱かれている際に伸平を浮かべてしまう場面では
もうドキドキです。

ここの描写が抜群です。吉屋さんの筆力が存分に伝わる本の中でも、
後ほどフラッシュバックするほどのインパクトがあるシーンでした。

この徳川の夫人たちには続もあるとのことで、こちらも
読むのを楽しみに、読みたい本リストに入れたいと思います。

こう思うと、日本の歴史にまつわる小説の幅広く、面白いことよ!
遅すぎるということはありませんので、気になった本を引き続き、読んで行きたいと思います。