人と人が接することの難しさ プラナリア 山本文緒 文芸春秋
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タイトルだけはずっと気になっていた作品。
短編が5作、入っていたのですが、どれもあんまり幸せではないというか、
破壊を予感させるラストが多いことが予想外でした。
友人でも、恋人でも、家族でも。会話などを通じて、人と関わっていくことの
むずかしさを感じました。主人公たちが「繊細」揃いだから、なのか。
そんな繊細さに共感を覚えることもあり、繊細すぎるなと思ったり。
この感覚がそれぞれ違うから、ぶつかって、時に離れていくのでしょう。
ただ、人間ですから。プラナリアではないですからね、
そうやってぶった切った部分が、そのまま勝手に再生することはありません。
プラナリアよろしくばっと現状を破壊する姿に、爽快感を覚える
方が多いのかもな、と思いました。