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今の若者にひしひしとくるフレーズがあるのでは「家族ゲーム」 本間洋平 集英社

すばる文学賞受賞シリーズ。
第五回の受賞は1981年12月掲載なので、もう35年前の話。

ですが嵐の櫻井翔さん主演でドラマにしていたのはなんとなく記憶に新しい。

優秀な僕にグズな弟、という設定が新しい・・・!と感じます。
大体、兄弟に劣等感持っているじゃないですか。
それが、弟が思ったよりグズ、というかちょっと知能に障害をお持ちなのでは、というぎりぎりの人でびっくり。不潔なんだよなー。

でも、執着を持った部分には物凄い知識を持ってるんだろうというのは、随所に現れます。

そんな弟のもとにやってきた家庭教師が凄い、時代だよなぁ。今はこんなんやったら訴訟沙汰。
ガンガン行きます。

でも、この家族のゆがみがあって、結局は変われない。
35年前の作品でも今の若者にひしひしとくるフレーズがあるのではないのでしょうか。

父親の無関心、母親の過干渉が子供をだめにする。それが弟だけでなく、兄も。

やりたいことが見つからない、という闇を抱えたまま物語が終わってしまいます。
困っていることは、自分で気づいて、それを乗り越えて行くしかないんですね。
子供に過干渉になる人に、読んで、気づいて頂きたい作品。

9月22日読了。