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ドラマ見た方も楽しめる 黒い福音

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解説を含むと文庫で699ページに渡る長編でありますが、
読み始めるとどんどん気になり、第二部はほぼ一気に
読んでしまいました。

先日、三億円事件と黒い福音がドラマスペシャルで行われていて、
そこで気になった原作本。
ドラマでは、第一部がほぼ割愛され、ビートたけしさん演じる
刑事たちの視点がメインとなっていたので、
原作を読むとトルベック側の状況がよくわかりました。

宗教組織を守る、という一点で、その目的のためなら
麻薬の密輸までも行う。
トルベック神父、ルネ・ビリエ神父の欲望に負けて破戒の日々を
歩むのに、それをうまく自分のなかでごまかして、納得させて
悪事を働く姿を見て
宗教組織というものに属することへの恐怖を感じてしまいます。
正義をふりかざせる立場の危なさよ。

「聖職者が人殺しをするうなどと考える奴らは、
魂に悪魔が棲んでいます」

といいますが、夜ごと女性と肉体関係を持ち、砂糖、麻薬などの
密売を繰り返す聖職者は、悪魔そのものではないのでしょうか。

結局、首相が、控えているヨーロッパ外交への影響も考え、
犯人であるトルベックや関係する人物を国外へ。

検索すると当時の首相である岸信介は、ノーベル平和賞候補に
推薦されていたとか。
全体の権益を考えたら、1人の人殺しなどどうでもよい、という人が
ノーベル平和賞受賞にならなくて良かったと思います。
小説ではありますが、事実もほぼ等しいと、私は考えますので。

警察の現場レベルで頑張っても、上層部からの圧力で
悔しい思いをする。
こういう物語は、昔も今も変わらないことが残念です。

松本さんのこのジャンルの他の作品も読みたいと思いました。

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