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共感が過剰になった時に「パーソナリティー障害とむきあう」林直樹 日本評論社

2月に、ぐっと具合が悪くなった。他のことがなかなかできそうになく、本にすがった。

何冊か読んだ中で、こちらの本は立ち位置が一般人よりは医者向けというか、語りかけるみたいなところがない評論だったので、逆に俯瞰した立ち位置で本に接することが出来て理解が深まったところがあります。

今となっては、メモとった理由もあいまいだけど、またいずれ参考になるかもしれないので残しておきます。

強い感情への対処が稚拙で、それを行動に移しやすい。彼らは、自己の統合が緩い同一性拡散の状態にあり、そのため彼らには、極端な認知や思い込み、極端な感情の動揺が生じやすいのが特徴的である。さらに彼らには、不安耐性の低さや自己評価の脆さ、些細なことで不安を強め、容易に窮迫した心理的状況に追いやられる傾向がある。
P18

第十章 境界性パーソナリティー障害の自己治癒援助

この章は、自己治療の様々な種類と著名なテキストが挙げられていて、その抜粋版でも参考になりました。

パクストン『境界を乗り越える―境界性パーソナリティ障害からの回復プログラム』

四領域とその評価

  1. 自分を大事にすること
  2. 境界を構築すること<対人関係>
  3. 同一性を保つこと
  4. 回復力

自己学習治療の弱点

自他の境界が曖昧になって共感が過剰となる、誤解が拡大して被害念慮が生じるといった対人関係の問題を扱うために、境界性パーソナリティー障害患者には、相手の立場を考慮して認識を広げ、それを新しい認知を形成するために利用するといった骨の折れる作業が必要となる。しかしこのような課題への対応は、自己学習ではとりわけ困難である。
P215

「共感が過剰となる」というのがすごい、納得できた。この時私は、他の人たちの思いが自分になってしまってそれでたいへんだったのだと思い出せました。

自分がなくなって、他の人が自分になってしまうということに対して向き合った冬でした。

事例とかは読み飛ばしつつ、必要な情報をチョイスして読み切ると有益だと思います。

パーソナリティ障害とむきあう―社会・文化現象と精神科臨床

2月5日読了

ヒロセマリでした。