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吉原はこんな所でございました 福田利子 ちくま文庫

先日読んだ「「ふるあめりかに袖はぬらさじ」なんて、
この本を読んでから読めば良かった!と思える一冊でした。

たとえば「幇間(ほうかん)」とか「遣手(やりて)」とか、小説で出てきて
わからずに、辞書とかネットで調べても、イマイチなんのことだか
わからなかったんです。

そのあたりがこの本ではどういう役割を果たして、
どのような気性だったのか、ということまでが、
説明と文章から読み取ることができました。

また妓夫太郎の説明を読んで、
「とろサーモン久保田は現代の妓夫太郎か」
なんてことを思ったり。

徳川時代から300年、国の制度下に置かれたこの場所は、
確かに今の性産業とは異彩を放っています。
売春防止法施行後の、現代的な街に吉原が変わる中、
300年の伝統を守っていく松葉屋。

この本が書かれたのが1986年。
30年近く経った今、ここで描かれた粋な姐さんたちが
どうなさっているのか、気になるところであります。

これを読んだあと、驟雨とか

赤線跡を歩くを読み返すと、面白さが増すんだろうと思います。