日本人を本当に総活躍させたいのであれば、必要なこと「最貧困女子」鈴木大介 幻冬舎文庫
鈴木大介さんの本は今回もいろいろと考えさせてくれます。
そりゃ、モノも売れなくなりますわ とわかる事例
冒頭、「貧困女子」と「プア充女子」の事例が。
プア充女子の事例に気づきが多かった。まず、月収13万円で稼いでいる方、という紹介。28歳で。地方という事もあるのかもしれないけど、やはりこの数字を掴まない人たちの「なぜ若者はお金を使わないのか」という言葉は薄っぺらい。使うほど回ってないのだ。
でもそこからのプア充女子さんの生活の智慧が、光る。工夫をして、あるお金で充実した生活を過ごしている、その力強い生きざまは素敵だ。
「実は服とかコツがあって、シ〇ムラとかで新品で1着500円とかの激安服買うよりは、ある程度つくりのしっかりした新品同様の中古ブランド服買った方が長持ちするんです。アウターは1シーズン使ったらまた売れるし、靴なんか勝負靴は大事にして普段はサンダルでいいじゃないですか。私、3年同じクロックス履いてますよ?」
P41
大型リサイクル店が洋服を買い、売りで完結しているという。アパレル不況という記事に対する答えの一つのライフスタイルが見える。
本気でこれからの人たちにモノを売るということの難しさ、その余地のなさ、コト消費というようなことを考えさせられるし、お金は本当に一部の人にしか渡らないようになっているのだ、昔よりも。
貧困の大きな要素 精神障害・発達障害・知的障害
貧困に打ち勝つ要素は、まずは考える力。そしてそれを行動に移す力なのだとこの本を読んでも思った。
そして、それが出来ずらい障壁が、章題の3要素。
ボーダーのものも含めて、貧困のさ中、適切に人に頼れず、抜けられない、むしろ悪い方悪い方に向かっていく要素なわけですね。筆者も
障害という言葉がよろしくないなら、こう言い換えよう。彼女らは本当に、救いようがないほどに、面倒くさくてかわいらしくないのだ。
P132
この人と関わることが難しい要素を抑えるような薬を適切に投与できないのか、例えばうつ病患者のセロトニンに作用するSSRIやSNRIのように、と思ってふと、外科手術によって人の性格を変えたように見せたロボトミー手術のことを思い出したり。
この障害についてが前読んだこの本にも書かれていましたね。
日本人を本当に総活躍させたいのであれば、国はこういった人たちの治療といったものにも予算と手間をかけないといけないのですが、どうなのかなと気になったところです。
この本はもっと早く読んでも良かったわ。
11月25日読了
ヒロセマリでした。