西武グループは、堤一族のためにあった「堤清二 罪と業」児玉博 文藝春秋
いやー、角川家もおもしろいけど、堤家凄いわよね。
マツコ・デラックスさんも相当関連書籍を読まれているという、西武グループの堤一族の本。
小説家辻井喬でもある堤清二はセゾングループを作り上げていった方でもあります。
西武百貨店、ファミマ、無印良品、セゾンカード、J-WAVE、ロフト…すごいでしょ。
でも実は西武グループのメインどころは母親の違う弟が継ぐことになったのですけどね。
西武鉄道とプリンスホテル。
著者の児玉さんは、晩年の堤さんにインタビューをします。
作家、辻井喬を再び堤清二へ突き動かしたものは何なのか。
P15
罪と業、そして愛
業、という言葉が似合う一族。強欲さ、業突く張りとも言える、冒頭のエピソードをはじめとする、力。
この本には載っていないけど、様々な女性に対する、欲。
お金、地位、名誉と共に、まとわりつく業。
そんな一族の中で紳士だと思ってたのですが、このインタビューではその奥底に流れる堤を感じさせる言葉が。
愛されていた。その言葉がこの本のキーワードとなっています。
お金でもなにを使っても、手に入れられるかどうかわからない、愛。
それを一身に受けているという言葉は、自身に満ちたものなのか、それともそうありたいと思って言っているのか。
わからないけど、その言葉を目にするたびに、ぞくっと怖いものを感じました。
西武グループは、堤一族のためにあった
これは私、一時期西武グループの内側に居たのでわかりました。
どんなお客様よりも何よりも、堤一族のために、社員は働いている。
だって、どんなにお客様に愛される社員でも、堤さんが何か言ったら、即閑職だから。ファミリー企業、独裁者の世界の恐ろしさをその身で感じていたので、サービス業としての会社の瓦解のニュースにやはりな、と納得がいったものです。
マツコさんじゃないけど、もうちょっと堤本読もうっと。
9月4日読了。
堤清二 罪と業 最後の「告白」
大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
読みたい本メモ
ヒロセマリでした。