これからの日本が取り組むべきテーマが浮かぶ 「貧困とセックス」中村淳彦 鈴木大介 イースト新書
今までご紹介してました「中年童貞」の中村さんと
「出会い系のシングルマザーたち」の鈴木大介さんの本。
彼女たちの価値観「差別されないこと」を理解しないと適切な対応はできないのでは「出会い系のシングルマザーたち」鈴木大介 朝日新聞出版
こりゃぁ、読むでしょう。
「読者層が近い」と書かれているように、私も両方読んで、どちらがいい悪いでなしに、まったく違うアプローチをそれぞれ楽しんでおりましたが、そのような書き方の差異なんかも明らかになって面白かったです。
通してわかるのは、国の、お偉い意識の団体の、良かれと思っている政策が逆に支援を受けるべき側の人たちを苦しめているということ。
「良かれと思って」が問題で、書かれているけど、やっぱりいい育ちのエリートには肌感覚でわからない世界がある。
エリートたちにはまず自分たちの常識では測れないものがあるということを認識して欲しい。
難しいんですけどね。幼稚園の頃から一貫校に通って、「幼少のころから湯水のごとく金をかけて教育を施すべし」と思っている大人しか周りにいないような奴に何がわかるんだ、という話で。
あとは、「意識高い系」「キラキラ」というワード。こういう人たちがそんなに搾取されているのか、というのは認識がありませんでした。奨学金使ってFラン大学出ると地獄、という話が出ていたけど、それを脱するには、目の前のもの、常識的に言われていることを疑う力が必要なのかな。
ただ、教育を、で解決するとは思えない。
コミュニケーション能力の欠如、パーソナリティ障害がこれからの日本が取り組むべきテーマなのかなぁとおぼろげながらに掴めました。
これから続けざまに中村さんの本を読む予定。楽しみ楽しみ。
ヒロセマリでした。
6月19日読了
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