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裏表なく、自分の信じたことを発信できる強さ「粗にして野だが卑ではない 石田禮助の生涯」城山三郎

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ずっと読みたいと思っていた本を読めました。

タイトルはずっと存じておりましたが、どんな人かは全く知らない前知識ない状態での、読書。

なるほど、三井物産からの国鉄総裁を務められた方なのですね。時代的には下山事件のその数代後の総裁ですか、そうですか。

下山事件に関しては現場現物現実ってこうやって確かめるんだ 「平塚八兵衛の昭和事件史 刑事一代」 佐々木嘉信 新潮文庫とか日本の黒い霧とか読んでいましたので、まぁ国鉄も混乱の時期であることは理解しつつの読書です。

思ったより、ここという時代のエピソードに深追いするわけでなく、淡々と、仕事を述べていくスタイル。仕事という大きな出来事よりも、細かい人柄を思わせるエピソードの積み重ねでその人の輪郭を追っていくという感じなのかなぁと。

その代名詞が粗にして野だが卑ではないという言葉に現れているわけで。卑なるものを排除する、その部分はよくわかりました。

死にかけたことと、宗教観。それもアメリカでのキリスト教に加えて仏教も。それでこのような大きな人柄、器が醞醸されたのでしょうかね。

その読書欲、知識欲を少しでも参考にしたいと、辞書であれこれ知らないことばを調べてストックに。

裏表なく、自分の信じたことを発信できる強さ。これを自分が得られる時期は来るのかしら、なんてことを思いながらの読書でありました。

7月8日読了

粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯 (文春文庫)

城山さんの他の本を読みたいリストに追加。読んだら、また記事にします。

ヒロセマリでした。