人を育てる喜びに取り憑かれた男「バケる人に育てる 勝負できる人材をつくる50の法則」平井伯昌 朝日新聞出版
リオ五輪でも注目を浴びました平井競泳日本代表ヘッドコーチ。オリンピック特集コーナーで発見し、思わず手に取りました。
人を育てる喜び
私は、その喜びに取り憑かれた男です。
P14
この言葉でぐっと来ました。この人は、人を育てるのが楽しくてたまらない人なのです。
水泳選手を勝たせること―いいえ、水泳を通して人を育てることが、私にとっては人生最大の愉悦と言ってもいいかもしれません。
P14
オリンピックに届く基本の基本の徹底
この本は、水泳やスポーツに限らず、その人にあったやり方を探し、人を育てていくというエピソードが掲載されています。
まさに、人を育てるビジネスマンにぴったりな本だと思います。
実際、平井コーチは生徒に対してまず始めることは挨拶や、休まない、続けるという基本の基本を徹底させるところから始めます。
それをどんな生徒に対しても、成果を上げている人に対してでも、ひるみなく行う。
やりづらい、言いづらいと思うこともあると思いますが、それを愚直に行うしかないのだと痛感させれます。
自分を道具と見なす
”私”という人間が、”平井コーチという道具”を使うということです。
P45
自分のパラダイムを変えるというか、今までに無かった俯瞰の、斜め後ろから自分を見るような視線がこの文を読んで現れました。
信長の考え方から生み出した「自分を道具と見なす」メソッド、ここは単純に「俯瞰してものを見る」といったよくある単語とは違った言い回しで自分にすとんと入ってきたので、ありがたいなと思いました。
私が会社という組織でどのような道具になるのか。
また、私が私という人生を有意義に全うするという目的ためにどのような道具になるのか。
自分が怠けそうになったときに、叱咤激励に使えればいいなぁ。
「最悪の中の最高」を上げていく
これもそうか!と膝を打ったところ。
オリンピックの選手のピーキングというのは、もちろん勝負の時に一番いいコンディションを持って行くこともありますが、それは「できて当たり前」
さらに勝負強くしたいのなら、最悪のときも一定レベルを維持するような指導をすることです。
P129
で、その為には、最初にいった、続ける、繰り返すという努力をするという基本が必要、とここでも一本筋が通っているんだなぁと。
「モチベーションが下がっている時に出来ること」といった手札をたくさん持つ
P131
モチベーションが下がっている時に自分をいかに、使えるか。
まずはそういうときに意識をしてみたいと、努力してみたいと思います。
全体通して、平井先生からコーチを受けたようなありがたい気持ちになりました。
人ごとに合わせて長所を伸ばしていくところ、集団がある中でいかにして一人一人と接していくか、といったところにお悩みの方はぜひぜひ読んで、確かめていただきたいと思います。
9月5日読了
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京都を知りたい方、またはOJTトレーナーやマネージャーで人材育成をする人へ 「舞妓の言葉」 西尾久美子 東洋経済新聞社