硬質な、乾いた読後感。「ブエノスアイレス午前零時」藤沢周 河出文庫
タイトルは昔から気になっていた作品を手に取って。
1998年の芥川賞受賞作。
最近では森田剛さんが舞台で演じていたとか。
結構最後の方までブエノスアイレスのおはなしになるのでは!と思っていたのはそうとうおバカちゃんみたいなようで、これは曲名らしいですな。
田舎町の温泉宿が舞台という。
そこでちょっと人生諦めたような、やさぐれを表には出さず、心にどんどんささくれ作っているような温泉卵を毎日作っている男が主人公。
そこに現れる女性。目に見える変わった点と、周囲の様子からわかる変わった点。
どんどんと興味を女性に奪われ、そして周囲が驚くラストシーンへ。
そこでは、二人ブエノスアイレスに居たのかもしれない。
硬質な、乾いた読後感。
サイゴン・ピックアップとか、死亡遊戯とかタイトルが気になるものが多いので、またうわぁ読みたいなと思ったら。