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考え方の根幹がこれだったのか、とパズルのピースがはまる感覚を得る「はじめての聖書」橋爪大三郎 河出書房新社

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あとがきにも書いてあったように、欧米では聖書に書かれた知識が大前提としてあって、その上で様々なルールや物語が形成されているため、知らないということは余りにも世界の見え方がいびつになってしまうと思うのです。

そう思って手に取りました。

最初は新聞広告に載っていたこの教養のための聖書

を読もうと思っていたのですが、「14歳の世渡り術」といったテーマの方が、ごく初歩の理解には有益だったりするのでこちらをチョイスしました。

今後読むなら、日本聖書協会の、「新共同訳」でできれば引照つきがおすすめ、とありましたが引照付きだとハードルが高いかなと思うのでそうするとこちらが良いかしら。

かつて「ルツ」をもじった名前の人に出会ったことがあるし、女優大竹しのぶさんのお母様は「エステル」からとった「ゑすてる」さんのはず。
この本を読んで、ほんの基本的なところだけでも、どういった願いを込められた名前なのかな、ということがわかったのは大きな一歩だと思っています。

あとがきの手前のまとめのページで、

動物は死んでしまったらゴミになる、いっぽう人間だけは、裁判を受けて神の王国に行けるチャンスがある

とあります。著者は

これはすばらしい権利だと、思いませんか。

と書いてあるけど、この考えが日本になかなかなじまないのでは、と思います。
ペットを家族同然に扱い、ペット葬、お墓も作ってお参りする人たちの心象にはそぐわない基本理念です。
確か、日本で暮らすアメリカ育ちの芸能人の方が、この考えがなじめずにキリスト教ではない、と語ったインタビューを見たことがある気がします。

他にも死後の世界観の違いが、御巣鷹山の遺体検分していた方の本(墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便)にも書かれていたなというように、
過去に見聞きしていたエピソードの考え方の根幹がこれだったのか、とパズルのピースがはまる感覚を得ることができました。

世界の多くの人が、名前を出しただけで、その背景のストーリー、前提条件がわかるのに比べて大きな差があると思うので継続して知識を蓄えたいと思っています。

ラストページに「14歳の世渡り術」一覧が。
気になる本があったので読みたい本に追加。

トヨザキさんの本は文学賞メッタ斬りしかないのですので別の著作を読んでみたいですね。

亡くなる前に、その命を賭して書いた本なんだろうな、と思って。
ご家族が、兄弟の3名が若くして亡くなっており、その兄弟の分も生きようとしていても、
ご本人も41歳の若さで亡くなってしまいました。

14歳向けにどのように体をゆるめる手段を伝えているのか、興味があります。