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さいしょ嫌いな主人公に好感が「国道沿いのファミレス」畑野智美 集英社

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なぜ読もうかと思ったかというと、消えない月という新作について、新聞に書評が載っていて気になったから。

で、ちょっとこの方について調べてみて、やはり、最初の作品に当たろうと思って読み出しました。

国道沿いにある、昔は上等な日に行くところだったけど、今はさびれてしまったファミレスに転勤してきた男性社員のおはなし。

この男性の、潔癖そうに見えて実は全然違う価値観にうへえ、と思って最初は好きになれなかった。

年を取ればとるほどに男性の独断的な考え方への拒絶反応が強くなってきているなぁ、なんてことを思いながら、でもやめることはしないで読み進めていくと、面白くなりました。

シンゴと、そのまわりが魅力的

それはシンゴと僕との関係性なのか、シンゴをとりまく魅力的な人たちなのか。

そう、主人公よりも、親友シンゴのまわりにいる人たちにひかれてましたね。

子供の頃からシンゴが僕を追いかけているように見えても、本当は僕がシンゴを追いかけている。
P156

この記述でやはりな、と思う。こういう関係性が好きなので、それを主人公の人格から眺めるというのは、悪くない。

おお、と思う展開が二転三転

後半になってきて、前半のええ、あれが伏線か、という展開が何度かあり、ページを読み返すことが何度か。

単純に進んでいかない展開もあって、残りページが少なくなってくるとああ、もう終わっちゃうのかぁと思っていて、主人公もそんなに嫌でない自分が。

これは、ほかの作品も読んでみようと思うものでした。

国道沿いのファミレス (集英社文庫)

11月6日読了
ヒロセマリでした。