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裸になることよりも大きなリスクとは「職業としてのAV女優」中村淳彦 幻冬舎新書

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中村淳彦さんの本をまた。

新書ということで、コストや給与についてを、数値を並べて計算して算出されているのです。ここで全く業界について知らない身としては、ああ、こういったところにこういう費用がかかっているのねというのがわかります。

それだけでも、読んでおく価値ありと自分の中で思えました。

AV女優の条件が変わった

そして、前読んだ名前のない女たち 企画AV女優20人の人生で読んだような環境不全、家庭不全の病んじゃった女性たちについての記載あって興味深く読んでいたのですが、そこが変わったと。

この本では求められるスペックに

素直で協調性のある性格

P78

が挙げられているんです。あれ、2002年と状況が違っているぞと。この本は2012年の本です。あら、10年前の彼女たちはどうなったのか、と思ったら、まさにこの本は私の疑問に対してちゃんと答えてくれました。

次のタイトルが

病んでいる女性は、どこに行ってしまったのか?

P88

はいそれー。それが私知りたいところだった!

2006年ごろを境に環境が変わり、そういった人たちは「AV女優になれなくなった」のですね。女優業を断られたり、全く仕事がない、稼げない女優が多数出て来てしまう。

裸になっても、金がないという現実と、お金にならなくても、裸になるという現実がこの本では述べられています。

女優になれない人が性風俗に流れていく、ということでそういったAV女優にもなれない女性たちを書いたのが、彼女たちの価値観「差別されないこと」を理解しないと適切な対応はできないのでは「出会い系のシングルマザーたち」鈴木大介 朝日新聞出版なので、再度そちらの本を読みたくなりました。

裸になることよりも大きなリスク

裸になること、それがずっと残ること、周りの人にばれるよりも大きなリスク。

それが金銭感覚が乱れてしまう事。体を売ることで得られる金額と、通常働いて得られる金額との差。AV女優になることそれ自体はその後の人生の足かせにはならないということに驚きを覚えつつ、AV女優を辞めた後も順調に生活している人のインタビューを見て、女優になること、ならないこと、辞めた後の人生を決めるのも女優となるその女性次第なのだなぁということがわかりました。

普通にOLして少し副業でもした方が収入の総額は高くなるはず

この言葉や、個人的には関わらない方がいいという締めになっていることから安易に踏み入れるべき世界ではないということが伝わってきました。

このあたりの本を読むとループしますな、また「出会い系のシングルマザーたち」読みたくなりました。

7月4日読了。


職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

ヒロセマリでした。