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ジニのパズルを読んで読むシリーズ その2「君はこの国を好きか」鷺沢萠 新潮文庫

群像さんリツイートありがとうございます。あの作品を読んでまだまだ読書の波が。

葉桜の日から7年が経ち、鷺沢さんも30歳近くになっての作品。
実際には「ほんとうの夏」が92年の作品で、芥川賞候補になって、そこから韓国の大学に留学して、97年「君はこの国を好きか」でこれまた芥川賞候補。

むつかしいなぁと。

「ハングルに感電」でして韓国留学、そして大学に進むんだけど、その話どうしても「ナビ・タリョン」「由熙」の世界とダブってしまうんですね。
由熙が89年に芥川賞を受賞している。

それが私頭から離れない、となると選考委員の人たちも(違っているのかもしれないけど)そうなのではないか、というところがありました。

日本での違和感、それなのに韓国にいざいっても文化的には日本の人間と変わらないわけでそれはそれで違和感を感じてしまう。

在日3世の苦しさ、自分の力ではどうしようもないことに対するこの苦しさは、こういった作品を通じて、自分の中に少しでも、感じとらないといけないなと、改めて思います。

10代で史上最年少で文学賞を受賞!からの出生の事実を知り、韓国留学を経ての結果こうなると、作家として厳しい部分があったのではないか。

35歳で自殺、ということを読むと、そんなことを想像せずにはいられない。

逆に、何も知らない頃に受賞した「川べりの道」が読みたくなりました。知らぬまま、作家生活を歩んでいたらどんな人生に、どんな作品になったんだろうと詮無いことを考えながら。

10月22日読了。

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