娘さん、紫苑ゆうさんと同期だったのか「小倉昌男 祈りと経営」森健 小学館
小倉昌男さん、といえばそれこそ日本の国と闘いながら今の宅配サービスを作り上げていったクロネコヤマトの社長さん。
小倉さんが亡くなったころ、大学でマネジメント系の学部に行ってたのですが、まぁ教授陣がお好きでした、小倉さん。
日本と闘い、ルールを変えていく姿がお好きなのかしら。
クロネコヤマトと障碍者雇用
その小倉さんは晩年、障碍者がきちんとお金を稼げる組織づくりを、ということでパン屋さんを作ります。
10年前くらいに、ヤマト関係の人が買っているという話を聞いてました。そのスワンベーカリー、調べてみると今や2桁の店舗数があるのですね。
くらいの認識だったのですが、その「ヤマト福祉財団」を設立するにあたり、私財を46億円投じているという。
この本は小倉さんが「なぜ」福祉の世界に入ったのか。その動機に迫る本です。
娘さんは元宝塚歌劇団
この記述にびっくりしてしまいます。宝塚雪組だったと。
読み終わってから調べてみましたよ。64期生、紫苑ゆうさんの同期と書くことで大体の年のころが浮かびます。
あら浮かびませんかね、シメさんくらいの感じですよ!
まぁそれは置いておいて、倍率13.3倍の難関を潜り抜けたものの、娘役として3年の活動ののちに、退団。
それからの行動はまぁ、ドラ娘といえるような記述です。
最後、アメリカで印象が一転
それから小倉さんの奥様の話や俳句の話を絡めて丹念に小倉さんのことを追っていき、最後にアメリカでのインタビュー。
奥さんにしても娘さんにしてもそういった事情があったとは。それをお子様二人はご両親が亡くなってとは言えよくお話してくれたなと。
それがこの評伝を書かれた森さんの力量というものなのでしょう。
個人的には「祈りと経営」というタイトルがこの内容に結びついてない気がしてもったいないのではと。
小学館ノンフィクション大賞と大宅壮一ノンフィクション賞のW受賞という作品で、もちろん面白かったのですが私も大宅壮一ノンフィクション賞受賞作だったから読んだ、という理由ですのでもっと多くの人に読んでいただくために何かキーワードがあったのではという気がします。
7月17日読了
小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの
ヒロセマリでした。