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事件の「貌」が見える本 私は真犯人を知っている 未解決事件30 文春文庫

「事件から貌が消えた」という近年の状況。
そんな中で「事件に貌を与える」報道をすることで、
事件の解決を助けたいという思いによって書かれた
特集記事が文庫化されたもの。

なので、一つ一つの記事が短いです。
もっと、一つ一つの記事、事件について掘り下げて見たい、
という気持ちにさせられました。

ただ、この短い分量の中でも「貌」や「思い」が
見られる本でありました。

記者だけでなく、事件の当事者の家族が語るページもあるのですが、
その人の後ろにいる、その事件を報道をしようとする
記者の「貌」が見え隠れします。

ネット社会と言われる中で、事件を語る人の貌も見えなくなっていた中、
「貌」や「思い」を責任を持って伝えてくる姿に
雑誌や本といった媒体の重要性を再認識しました。

あとは、少年犯罪をはじめとした多くの犯罪で家庭環境、特に母親からの
育てられ方に問題があった記述が何点かみられました。

そのような家庭環境に育ちながら、犯罪まで至らない人間と、
犯罪に走り、このような本に語られる対象になる人間と、
それを分かつ最後の砦は何なのか。
執筆者の他の著作や関係書籍を引き続き読み、考察を深めたいと思います。