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悲しいフレーズがたくさん、掲載されています「女性たちの貧困”新たな連鎖”の衝撃」NHK「女性の貧困」取材班 幻冬舎

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クローズアップ現代の再放送を見たのかな?
インパクトの強い特集でした。

それ以外の話も入っております。

NHK取材班が作っている話なので、国に思うこととかをきちんと取材していますが、やはり前回紹介した「出会い系のシングルマザーたち」の方は、もはや国のことなんて眼中にないというか、シビアな世界だと思います。

こちらの本が、風俗店への取材だとすると、「出会い系~」では、もはや風俗店という組織で働けるのも選ばれた女性である、という事実が述べられています。

ですので、私こちらを後に読んだのですが、こちらを先に読んでから「出会い系の~」へと読み進むことをお勧めします。

冒頭、

高学歴の女性の活躍の場は広がったかもしれないが、そうでない女性の働く場はむしろ狭まっている

という話から出てきます。

「いい学校を出て、有名企業に入れば幸せな生活が送れる」

わけではないという話を学生時代から聞いて育ってますけど、実際のところ今でも大多数の日本企業では学歴というものが大きく影響する世界だなというのが10年ほど働いてきての実感です。

この本でも第二章で契約社員の方の「正社員への高い壁」として

「正社員は入社試験を受けて入ってきたんですよ。あなたにSPIを受ける力がありますか?しばらくここで働いているから正社員になれるなんて、不公平でしょ」

というエピソードが掲載されています。

バブル期の入ってくれ入ってくれと言われて入った人たちの中で生産性が低い人材を切ろうにも正社員という壁が逆にあり、四苦八苦して退職させている一方で、明らかに能力が高く、会社への貢献度が高い人間が入社試験を経て入っていないというだけで、何かのきっかけでいきなり契約満了とされてしまう。

日本の企業の力の使い処、間違ってるだろう。そう思うのですが、本当にそのように働きたければ外資系転職しろよ、と言われるのが現実だと思います。

そして次のページからは「四年制大学を卒業したけれど」

という話が始まります。この「愛さん」についてはああ、テレビで見たところだと思いました。

四年制大学を卒業しても、正社員として就職することが叶わず、有利子の奨学金返済に追われるというエピソード。

実際に私の周りにも、奨学金返済に現在進行形で追われている人が何人かいます。

4年生大学を卒業し、正社員として就職し、家賃補助やその他福利厚生を受けながらも30歳を超えてもなお、まだまだ返済が負担だと話すわけですよ。

それが時給制で2年で昇給10円、月額手取り14万の生活で母一人子一人の中母に仕送りもしているという中では負担が大きくのしかかります。

結局彼女はあこがれの業界を離れ、学生時代アルバイトしていた店に戻り就職活動を並行して行っているが芳しくない、というところでエピソードは終わります。

四年制大学を卒業して、正社員になりやすい、なりにくいっていうのは本当年度による運が大きいな、というのが実感としてあります。

バブル期―バブル崩壊―好景気―リーマンショック―人材不足

と、個別の能力よりも国全体の流れで採用されやすい、されにくいというのがあります。各企業はその年のトレンドから決めた採用計画を完遂することが大事。

日本の生産性が低いのも、自分で書いていて納得してしまいます。生産性よりも、就職活動の形式を保つことの方がまだ優先度が高いほど、この国には余裕があるんでしょうね。

この本には悲しいフレーズがたくさん、掲載されています。

大きな幸せは、期待して外れると嫌なので、小さな幸せがちょこちょこある方がいい

 

どんなに理不尽な条件でも、生きるためには黙って受け入れるしかない。この国は結局、そういう我慢強い女たちが支えてるんですよ

 

将来の不安とか、そういったことは極力考えないようにしている。母子家庭をこういう状況に追い込んでいる国とか社会へのいら立ちが出てきてしまうから

 

二カ月間の給与明細を見て、あーこうなるんだって、生活が上向くことはないって、先が見えてしまったんですよね

契約社員から正社員になった人の実感がこれ。頑張ると、頑張っただけ報われない。

教育をきちんと受けないまま社会に放たれてしまうため、文章を見せられても、よく理解しないままサインをしてしまい、騙されて借金を負う女性も少ないないそうだ

この話戦前じゃないんですよ。平静になって27年経つ今を生きる人の実感としてこれですよ。

巻末には前回の本と同じような所感が出てきます。

「貧困」とは「お金がない」だけでなく「教育」や「情報」が欠如している状態だともいえるのではないか、というのが取材を終えての私の実感です。

と書かれています。教育機会もなく、情報も欠如している彼女たちは、当然この本に触れることも、おそらくないでしょう。

NHKは他にも最近では老人漂流社会という特集を放送していたりとね、考えさせられる、というかずーんと重くなるテーマの放送をしています。

考える、というのはこの本に出てくる人たちが避けている行為。でも、考えることを出来る私は、そのことから避けずに取り組みたいと思う。

面接時に働く目的と、いつまで働きいくら貯めるという目標を設定させ、行方不明になったら探し出し、育児の悩みを聞き相談役を担うというデリヘル経営者。

妊娠をしたが育てられないという女性に出産するまでの寮を用意し、一方で子どもに恵まれない夫婦へ特別養子縁組をするというNPO法人「Babyぽけっと」。

諦めずに行動をしている人たちから何か、掴み取れればと思い、引き続き理解を深めたいと思います。

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