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お役所的な、戦争事業。「となり町戦争」三崎亜記 集英社

すばる文学賞受賞シリーズ。第17回、2004年です。はい、覚えておりますよ。で映画化したのも覚えておりますが、全く見てません。三崎さんの作品も、初めて読みます。

図書館戦争とごっちゃになりかけてたけど、いきなりとなりの町と戦争おっぱじめる話です。
でもね、すごい淡々としてた。直接的な戦争感、結構太平洋戦争がらみの本読んできてますけどそういった感じは全くなし。お役所的、戦争。

すごい役所感覚を持った人が書いているんだろうなぁと思ったら、案の定市役所で勤めながら書き上げた作品とのこと。
県庁の星(これは学生時代読んだな)を一瞬思い出すも、こちらを書かれた桂望実さんはフリーライター経験とのことだから、取材して書き上げたのかな。

戦争感が無いのに、町のたよりの文字として重なっていく死体の数。
アイマスクや、段ボールのおかげでぎりぎり、見えずにどすんという感触くらいしか、主人公は死を経験できないのです。
だけども人が死んでいく、自分がぼんやりしていたその裏で。

主人公も、この本を読む我々も、だからこそ考える。
戦争とは?
国でも、町役場でも、決めたことに巻き込まれるのは一人一人の住民であるということをつまびらかにしながら、あっけなく終わってしまう戦争という事業。

やっぱりお役所苦手だなぁと思いながら読み終えて思ったのは香西さんは、主人公との生活方が仕事なのか、隣町の町長の息子と結婚する方が仕事なのか?ということ。
主人公サイドで読んでいたので、香西さんはその実、この業務のどこをどう感じていたのか気になっちゃます。

ちょっと、すべてがクリーンに解決しちゃう感じがありましたけど、デビュー作だからなのか、今もそうなのか?若干、気になるところではあります。

読み終わってから調べて江口洋介と原田知世が実写化したと知りびっくり。そんな大人の人の話だったのか。

10年前だとしても、もう少し若めの人たちの話かと思ってました。

9月19日読了

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