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住みたい街を選ぶときはこの本を片手に。「マンション選びは「立地」がすべて」大久保恭子 河出書房新社

特に引っ越す気が無くても、現状調査、と思い気になった街をあれこれ住まい検索してみたり、情報を読んだりしてしまいます。

秋口に、会社の後輩が寮を出て1人暮らしをする、と聞いてどうやって街を選んで住んでいけば良いのだろう、と思ってネットで記事を見た時に一番引っかかった、いいな、面白い観点だなと思ったのが著者の大久保恭子さん。

マンション評価ナビの代表の方。
失礼ながらこのサイトを知らなかったので、今後はここも参考にさせて頂こうと思います。

大久保さんのポリシーがこのタイトル。立地に失敗すると、生活が苦しくなるというのを実体験を交えて説明下さいます。

通勤時間という軸で4つ,駅からの徒歩時間で3つ,それを掛け合わせて12ブロックの街タイプに分類して、自分の目指す生活からこうやって住む街を、マンションを導き出していく、という内容となっています。

具体例が豊富で、マンション購入でなくとも、考え方としてはこれがあるとないとでは大違いだと思います。

私のよくわかっていない概念として「用途地域」というものがありました。
第一種低層住居専用地域、とか確かにその文言見たことがあるな、と思うものの何を指すかがわかりませんでした。
その概要を説明頂くとともに、コラムでは

その土地に何が建てられるかは、都市計画法が定める12種類の用途地域のどこに分類されるかで決まってしまいます。
この決まりが生活立地の住み心地を決めてしまう

と書かれています。

これは楽しいぞ。今後マンションのチラシなど見たらその用途を見て、意味を調べて、想像するという楽しみができました。土地勘あるエリアならこういう用途ならこういう雰囲気、というストックが出来ていくので、ゆるくデータベースを脳内に作っていきたいと思います。

生活スタイルから、具体的なマンション探しへのアドバイスが進みます。

40代の男性の服装が真夏でもスーツにネクタイ、靴の底が歩きやすいラバーであれば、大手・中堅規模の企業に勤務する営業職が多く、年収は600万以上で3500万円クラスの住宅取得能力があり、休日は家族とドライブという暮らしぶりもありそう、

とかね、具体的でしょう。家探しをする時は表19「知らない街が自分に合っているかを見抜く方法」を見ながら街を歩いてほしい。

地元不動産業者さんと話せば、街の表情が見える

とか

GWは、知らない街のマンションを見に行こう!

とか、サイトのブログ含めて大久保さんの提示くださる情報が具体的で参考になります。

個人的には、マンション購入を知らない土地で、と思ったらまず賃貸で住んでみればいいのにと思うんですけどね。定期借家1年契約のところとかに住んで、リアルな情報を得た方が後悔は少ないと思うのですが。家族連れには難しいのかしら。

あと、私は10代の頃、30歳になる頃にはこの街に住みたい!というものがあったのですが、いざ自分が28歳の時に全く昔は意図どころか想像したこともない街に住むことになりました。

10代の頃に30歳の今が想像できなかったように、30代の今50、60代と身体も動かなくなってくる自分が住みたくなる街が全く想像できないんですよね。

できないし、今の自分の想定通りの人生ってのも、つまらないではないかと思うのです。

そんな私にあとがきの

まず、マンション立地をつきつめて考えると、どうしても永住は放棄せざるを得ないということです。

ライフステージ別に立地を見た時、向かない街が出てきます。

ということは、生涯ひとつの街に住み続けると、いつか暮らしに合わないという事態が生じるわけです。

ということばが大変勇気づけられました。

考え方のベースが似ていて、こちらは不動産のプロ。

是非、今後ライフステージの変化に応じて参考にさせていただきたいと思います。

<参考記事>