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環境と、誤った選択を行わないための知力のどちらかがあれば 「殺人鬼フジコの衝動」 真梨幸子 徳間文庫

400ページ強の作品ですが、100ページ目あたりで、
もう離れられなくなりました。
読み終えるまでの時間、夢中にさせてもらいました。

フジコがかわいそうなのは、常に周囲の事を気にして、
周囲からどう見られているか、その計算ばかりであること。
そして、どこがゴールなのか、自分にとってどうあることがあ
幸せなのかがわからなかったこと。

そのことを考える事が出来ない環境、教えてくれる人が
いないどころか、そういうことを考えないような
マインドコントロール下に置かれていたこと。

自分の幸せは自分で定義して、それを目指す。
それがあれば、どんなに他人からバカにされても、
からかわれても気にならない。

そういったことがわからない環境にいる場合、それを知るには、
やはり読書なのかなと感じます。
いろいろな立場、考え方の人間を活字から読み取ることで
人生の大事な事を知っていけると思うのです。

でも、読書するということを出来る環境でもなかったし、
本を読んでもそこから感じ取る感情という部分も、
フジコには欠けているのでは。
そう思うと、フジコはこういう行動をとってしまう
運命だったのか。

環境と、誤った選択を行わないための知力のどちらかでも
彼女にあれば。
それがないと、連綿と地獄が続いていく。
その連鎖からようやく抜け出せる子がいるのか、と思った途端
残酷な結末。

いわゆる「イヤミス」として楽しむ他に、
いろいろ考えさせられる作品でした。

「川崎市高津区一家惨殺事件」をネットで検索した方、
竹やぶから1億円出てきた事件は本物です。
実際の高津区で、これを超す事件は、
幸いにして記憶しておりません。

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