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「八日目の蝉」 角田光代 中公文庫

映画化された有名な作品。
「空中庭園」を読むつもりが、こちらを手に取りました。

前回キッドナップ・ツアーはイマイチであったのですが、
こちらの作品は非常におもしろかったなあ。

中盤、宗教施設に入るくだりではやめとけ、絶対やめとけ、
後悔すると思っていたのですが、結構長い時間うまく時間を過ごし、
その後もなんとかなりました。

と思うのですが、その宗教施設に関係したことが第二章で活きてきます。
主題である本当の母と育ての母の母性というような問題に加えて、
宗教組織に純粋培養された子の後遺症という問題が合わさり、
物語に深みが出たのだと思います。

なんで、と思うのですが、やっぱり自分の事を大事にしない、
ただ上っ面だけの優しいダメ男に惹かれてしまう女性が一定量いて、
そんな女性にとってはバイブル的な本になるんだろうなぁ、と感じます。