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生きた評伝って難しいよ それが成立した本「あんぽん 孫正義伝」佐野 眞一 小学館 1/11

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佐野さんの本は、敵も作るだろうなあと別海を読んで思っていた。
取材協力した方が読んだら、ここまで書くのか、と思わざるを得ないようなことまで書くので。

生きているうちにここまで書かれることが、テーマとされた人にとっても書くのをやめてくれ、と言ってもいいくらいの内容。

これを本人取材を経て出版に至るのは孫正義だからだと思いました。
孫さんは自分が恥ずかしい、とか、思ってもおかしくないところよりもスケールが大きいから。

われわれの携帯がつながっていれば、何人かの方の命は救われたんじゃないかと思うんです。自分の力のなさのせいで犠牲者が増えてしまったかと思うと、腹をかっさばきたいくらいの気持ちになりました。

という東日本大震災での強烈な「自分事」意識。
もはや地球クラスの出来事が自分ごとだから生まれる言動なのでしょう。
まさに社会の子。

社会の子というのは、お父様が

三憲はそんな大人びた正義の表情を見て、この子は自分の子じゃない、社会のために使わなければと思ったという

とお話しているくだりがあるのです。

本人も、商売をしているのではなく、事業を行っている。お金儲けをしているのではなく、人のためになること、日本のためになることというのを第一義に考え、行動している方なのですね。

この本を読み、日本に住む様々な環境の人たちに影響を与え、ときに奮起する礎になるものとなるならば、孫さんは全てを書かれても良いのでしょうね。

また確かにこの本で、孫さん自身も知らなかった情報、ルーツを辿った諸外国含む情報でしたり、そこで出会った人からの思いも得ることが出来たことは孫さんにとっても得るものがあったのでしょう。

ただ、それは孫さんだから成り立ったもので、橋下徹さんについて書かれた連載は第一回発表時点で問題となり、連載が終わってしまった。
これは佐野さんが橋下さんと直接会話をしていなかったようなんですよね。

佐野さんの書き方も読者を大いにリードしていくような断定的な書き方をされると別海のときに感じたので、その部分は問題にされてしまっても仕方ないかなと思いますが、「橋下徹は部落の鬼っ子」 部落解放同盟委員長に聞くにも書かれているように、表現に注意し、訂正した上で連載は続けて欲しかったなと思います。最終的に佐野さんが何を伝えたいのかが伝わらないまま連載が終わってしまったら、宙ぶらりんで本当におしまいです。

佐野さんと橋下さんが対峙した上で、進めて欲しかったと思います。

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